味噌にも健康効果がある?機能性表示食品の特徴や種類について

食品を購入する前に、表示されている注意書きをチェックする人もいるでしょう。なかには、機能性表示食品と記載されている食品もあり、なんとなく、健康への効果が期待できるもの、体にいいものといったイメージを持つこともあるかと思います。

この機能性表示食品について、日本人になじみ深い「味噌」と絡めて、その特徴などについて解説します。

機能性表示食品とは

「機能性表示食品」とは、企業が、科学的な根拠にもとづいて安全性と機能性を表示した食品のことで、保健機能食品(体への効果を商品に記載できる食品)の一種です。ちなみに、保健機能食品には、ほかに特定保健用食品(トクホ)がありますが、それとは区別されています。

「機能性=人の体に与える効果」つまり、健康を保つ上で良い効果が期待できる食品と理解するといいでしょう。たとえば、よく知られているものとして、体脂肪を減らす働きのあるお茶や、食後の血糖値の上昇を抑えるコーヒー、といったものが挙げられます。

販売する企業のもと、その安全性などについて確認されていますが、機能性を記して食品を販売する上で、その食品によって健康が保たれ向上することが見込めるといった内容を、申し出る義務があります。機能性表示食品制度とよばれるもので、国のルールに基づいて、科学的な根拠となる情報を消費者庁長官に申し出ることで、機能性について記載できる制度です。

よって、「機能性表示食品」と表示されている食品は、一定の基準を満たして商品化されているということになります。現在も、消費者が誤認することなく、商品を選択できるよう、適正な表示によって情報の提供が行われています。

トクホ(特定保健用食品)との違い

人がポーズをとっているようなマークでわかる人が多いかとおもわれる、「トクホ(特定保健用食品)」についても、その違いについて紹介しましょう。トクホは、機能性表示食品と同様に健康を保ち向上する働きのある食品を指しますが、両者の違いは、企業が国へ行う申請方法や対象とする商品の数になります。

以前は、「トクホ」と「栄養機能食品」のみを、保健機能食品といいました。しかし、トクホの場合、消費者庁への届け出以外に、庁の長官から個別に許可してもらう必要があり、商品数が少ないものになっていました。許可までに長い時間を要し、コストなどの観点から特定保健用食品の申請を諦めていた企業が多かったのでしょう。

そして、特定の栄養を補うことを目的とする栄養機能食品についても、商品数が限られていました。このように、消費者が自分の健康状態に合った食品をたくさんの選択肢から選べないといった状況があったのです。つまり、機能性を明瞭に表示した商品を増やし、それぞれの健康状態に合わせてすぐに探せるよう、トクホ(特定保健用食品)とは別に、機能性が表示された食品がつくられました。

結果、機能表示をスムーズに行えるようになり、多くの機能性表示食品が販売されることとなりました。

機能性表示食品の持つ効果

機能性表示食品ができたことによって、健康を保ちながら向上させられる食品を幅広い商品の中から選べるようになりました。たとえば、体脂肪を減らす、血糖値の上昇を抑える、腸の調子を整える、脂肪の吸収をおだやかにする、血圧を下げる、ストレスや疲労感を軽減する、記憶力を維持する…など、さまざまな効果を期待できるものがあります。

そのため、自分の使用目的に合わせて利用するといいでしょう。自分の健康状態に適した商品を探す方法として、消費者庁のWebサイトが便利です。消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」 でキーワードを入れて検索することで、効果が期待できる成分が含まれた機能性表示食品の一覧が表示されます。

このサイトを活用して、自分の健康状態に合う機能と商品名で検索すれば、自分に適した機能性表示食品を簡単に探すことができるのです。

(記憶にかかわる機能性表示食品の現状と成分の特徴)

味噌の健康効果について

ところで、味噌にも機能性表示食品として販売されているものがあるのを知っていますか?味噌についてですが、日本の食卓では欠かすことのできない調味料の一つで、味噌汁や炒め物のほか、そのまま食されることもあります。

また、味噌は、栄養豊富で健康を保つ上で効果の高い食品でもあります。たとえば、味噌に含まれるこうじ菌が、腸内環境を整えることについてはよく知られており、ガンへの効果があるといった報告もあります。そして、味噌汁を毎日食している人は、胃病(胃炎および胃・十二指腸潰瘍)になりにくいという研究結果が出ているようです。

そのほかにも、味噌には、肉中心の食生活で引き起こされることが多い動脈硬化・高血圧などに対して予防効果があることや、放射性物質を除去する効果が期待できることから、海外への輸出が増えているようです。つまり、潜在的に味噌には健康効果があるといえるでしょう。

(機能性表示食品の原材料について知っておきたい5つのポイント)

機能性表示食品として販売されている味噌も

さらに相乗効果が期待できる機能性表示食品として販売されている味噌について紹介しましょう。まず、永谷園から、GABAが含まれた味噌汁「いたわりみそ汁」が機能性表示食品として販売されています。カップタイプの即席みそ汁で、味噌のなかに20ミリグラムのGABAが含まれています。

GABA(γ‐アミノ酪酸)には、高めの血圧を下げる働きがあるといった報告があることから、血圧が気になり、味噌汁を敬遠している人に利用してもらうことを販売目標の一つにしているようです。そして、「塩分30%カット」という高い減塩率を実現している点でも、血圧が気になる人におすすめできる食品となっています。

また、同じくGABAが100ミリグラム含まれている即席タイプの味噌汁「ぐっすりみそ汁」がハナマルキから販売されています。こちらの商品は、睡眠の質の向上に役立ち、すっきりした目覚めをサポートするGABAの効果について注目しており、機能性表示食品の記載がされています。

日本人が飲むことの多い味噌汁であれば、日常生活の中で無理なくGABAを摂取できるといったことから、睡眠の専門家からも推奨されているようです。自身の食生活をふりかえって、補いたい成分であれば、食事に取り入れていくのもいいでしょう。

記載された注意事項を守って

機能性表示食品は、健康へよい効果を期待できるものですが、医薬品ではありません。そのため、病気の治療を目的としていないと理解しておく必要があります。また、多く摂取すれば、より効果が期待できるといったわけでもないので、摂取量などについて、表示に従うことが大切です。

そのほかにも、記載された注意事項をきちんと読んで、体調に異変を感じた場合は摂取を止めるようにしましょう。